泣きむし雲っこ


ある空の上に雲の親子が住んでいました。

子供の雲はすぐに泣くのでとおり雨のクラゥディと

呼ばれていました。

お昼寝のあとの午後にはかならず泣き出し

大粒の雨を降らせます。

ある日のことです。

クラゥディーはいつものように泣き出し

おかあさん雲に叱られてしまいました。

”もうお母さんは僕なんかいらないんだ・・・。”

と、クラゥディはひとり地上へ降りていきました。

そして家々の屋根が大きく見えるくらいのところで

風にのりながらぼんやりと浮かんでいました。

するとひとりの女の子が泣きながら赤いランドセルを

腕にかかえて歩いていました。

気になってあとをついていくと小さなオレンジ屋根の家に

入っていきました。

クラゥディーが窓から覗くと女の子は泣きながら

お母さんに話かけていました。

”学校のかえりに急にすごい雨が降ってきておばぁちゃんが

買ってくれたランドセルがびしょびしょになっちゃったの。”

女の子はリサちゃんという小学校の一年生です。

”あの子が泣いているのは僕のせいだ。僕が泣いたからだ。”

クラゥディーはどうしてよいかわからず

空の上をさまよいはじめました。

気がつくと夕日が空を赤く染めはじめていました。

クラゥディーは”もう泣かないぞ。”とつよく心に決め

おかあさんのところへ急いでかえりました。

それからはお昼寝から起きても赤いランドセルの女の子のことを

思い出して泣くのをじぃ〜とこらえました。



でも結局は泣き虫のクラゥディーこと。

夕方になると涙がたまって我慢できません。

ついに泣き出してとおり雨を降らせました。

地上ではさっきまでけんかをしていた恋人達が突然の雨に

ひとつ傘の下に寄りそっていました。


written by izachu